デトロイト・メタル・シティ

DIME2008-09-24

  • クラウザーさんが覆面ヒーロー化しすぎて、もはやスパイダーマンに!クモのコスプレをするかわりに、悪魔のメイクを!手首から白い糸を射出するかわりに、1秒間に10回レイプとシャウト!
  • このシーン、しれっと映像化されているものの、希薄感がすごい。観客たちの「でたー!クラウザーさんの1秒間に10回レイプ発言だー!」がスルーされているせいでしょうか…?(見逃してるかも)
  • 原作の言葉をかりれば、クラウザーさんは『下ネタの向こう側』の住人なのである。下ネタの向こう側であるゆえ、レイプという言語は下ネタとは認識されず、許しがたい暴力行為の意味すら消失する。それはろ過された純粋な響きだ。つまり、下ネタという大河の彼岸で彼がレイプと叫ぶからこそ、一切の淀みない響きが、『下ネタのこっち側』にいる我々の心を強く撃つのである。
  • しかし!残念ながら映画のクラウザーさんは、『下ネタのこっち側』で我々とともに対岸をみつめている!!!すべての不謹慎ネタが中途半端なのである。だから子どもに疑問をもつ隙をあたえて、「ねえねえ、レイプってなに?」と親にたずねてしまうんです!きちんと『下ネタの向こう側』感を描けてさえいれば、その説得力が思考の余地をあたえず、子供にも感覚することができたのではないでしょうか!?
  • と、隣の席の親子連れをみて考えてみたものの、お子さんは最後の「チンコカット」で爆笑しておりました。